アニマルセラピーについて

アニマルセラピーの起源は、古代ローマ時代に傷ついた兵士のリハビリに乗馬を用いたことが起源と
されています。
その名残で今日でも「乗馬療法」が行われています。

他に1700年代にイギリスの精神障害者施設で、患者に感情をコントロールする能力を
身に付けさせる目的でニワトリやウサギが用いられていたことや、
1800年代にドイツで知的障害を持つ人たちのコミュニケーション能力を高めるために
犬や猫とふれあわせたとの記録が残っています。

また1800年代には、乗馬が麻痺を伴う神経障害患者のリバビリに役立つという事例も
あがっています。

以降、世界各国で身体に障害を持った人や心に傷を負った人たちへの治療方法の一つ
として取り入れられてきました。

アニマルセラピーの役割として最も期待されているのが、その名の通り「セラピー」です。

ストレス軽減や癒しなどの効果を促進することはもちろん、コミュニケーション能力の向上
や自立心、積極的な運動、行動による体力の向上も目的としています。

犬や猫等、動物を飼っている人はストレスが少なく長生きをする傾向にあると言われるように、
動物は人間を癒してくれます。
それと同時に人と人との潤滑油の役目も担ってくれること
もあります。動物がいることにより、初対面の人でも比較的すぐに打ち解けることが
できた経験がある人も多いのではないでしょうか。

また山口県の岩国医療センターにて、セラピー犬3頭ががん患者の緩和ケアを目的に
定期的な訪問をするようになってから、患者と医療従事者間のコミュニケーションが
円滑になったり、患者やその家族、そして医療従事者にも癒しが確認できたりと、
その有効性が報告されています。

人の心を穏やかにしたり、孤独を感じ心を閉ざした人の心を開いたり、
動物は人間の心を癒して生きる希望を与えてくれるほか、身体の治療を目的とした
癒しをももたらしてくれます。人間がアニマルセラピーで受ける恩恵は計り知れません。